第170回(2024上半期)直木賞」の選考会が1月17日(水)に行われる予定です。
これに先立ち、昨年2023年12月14日(木) に6人の候補者がノミネートされました。
そこで、この記事では次の2つについてお伝えしたいと思います。
・受賞者作品の予想
第170回(2024上半期)直木賞候補者とノミネート作品
【第170回直木三十五賞候補作発表!】
候補作を一挙にご紹介します。🔹加藤シゲアキ『なれのはて』
🔹河﨑秋子『ともぐい』
🔹嶋津輝『襷がけの二人』
🔹万城目学『八月の御所グラウンド』
🔹宮内悠介『ラウリ・クースクを探して』
🔹村木嵐『まいまいつぶろ』受賞作決定は2024年1月17日(水)です! pic.twitter.com/SJFydW9e43
— オール讀物 (@ooru_yomimono) December 14, 2023
2023年12月14日(木) に「第170回 直木賞」の候補者・作品が発表され、次の6人がノミネートされました。
・河﨑秋子 (かわさきあきこ)
・嶋津輝 (しまづてる)
・万城目学(まきめまなぶ)
・宮内悠介(みやうちゆうすけ)
・村木嵐(むらきらん)
(敬称略/五十音順 )
第170回(2024上半期)直木賞候補者のプロフィール
それでは、「第170回 直木賞」の候補に選ばれた6人のプロフィールと受賞作品を紹介します。
加藤シゲアキ (かとうしげあき)
『なれのはて』が第170回直木賞にノミネートされました!
『オルタネート』に続き、光栄なことです。
記念に本日、21時からインスタライブしようかと思います。 pic.twitter.com/Owf3vepAKk— 加藤シゲアキ Shigeaki Kato (@Shige_no_hitori) December 14, 2023
加藤シゲアキ(加藤 成亮)さんは男性アイドルグループ「NEWS」のメンバーです。
大学卒業する頃に暇だったこともあり、また「嵐」のメンバーが色々に挑戦する姿に刺激され小説を書いてみようと思ったのが、小説を書くきっかけだったそうです。
アイドル活動をするかたわら、加藤さんは2011年小説家デビュー を果たしますが、今回「直木賞」候補になった作品は執筆に3年、約38万字の力作です。
(作品の概要)
テレビ局員の守谷京斗はある事件をきっかけに報道局からイベント事業部に異動することになりました。そこで出会った吾妻李久美から祖母の遺品の不思議な絵1枚だけを使って展覧会をしたいと相談をうけます。
その絵の裏には「ISAMU INOMATA」という署名があるものの誰が描いたものなのか分かりません。
そこで2人はその画家の正体を調べることになります。調べると、秋田のある一族が、暗い水の中に沈めた秘密に繋がりが・・・・。
物語のパート、パートに過去の戦争の話が散りばめられています。「戦争の現実」という社会問題がテーマのようです。
『なれのはて』読了。超力作でした。要素盛り沢山。作者のただならぬ気概のようなものが伝わってきました。後半はより濃厚で、結末には涙。
(もっとシンプルな題材で書かれた彼の作品ってあるのかなあ?)
父が買った本を父より先に読んだので、返す。父との感想の共有が楽しみ。 pic.twitter.com/j5QeT7iDeU— Norikoel (@norikoel_output) January 5, 2024
デビュー作
河﨑秋子 (かわさきあきこ)
12/4(土)14時よりコーチャンフォーグループリラィアブルブックス根室店にて別海町出身の作家、河﨑秋子先生のサイン会を開催いたします。
12/1発売の新刊『締め殺しの樹』(小学館)は根室が舞台。感染症対策に留意して実施いたします。たくさんの皆様のご参加をお待ちしております。 pic.twitter.com/dV54d4DjCP— コーチャンフォー/Coach&Four (@CoachandFour_JP) November 12, 2021
河﨑秋子さんは大学卒業後、ニュージーランドで緬羊飼育技術を1年ほど学んでいます。その後は自宅で酪農従業員をしながら緬羊を飼育・出荷をし、そのかたわらで小説を書いていました。
2014年に「颶風の王」で三浦綾子文学賞を受賞し、小説家としてデビューします。
(作品の概要)
時代は明治時代。北海道の人里離れた山中で暮らす熊爪は犬とともに狩猟をし暮らしているのですが、まるで獣そのもののような嗅覚で獲物と戦っていました。
クマ同士の争いに巻き込まれて重傷を負った熊爪は里の人間からは山を下りるようさとされるものの、生きる意味を追い求め、熊との決闘に向かいます。
前半は自由でありながら様々なしがらみにとらわれていたが熊爪でしたが、後半は自分のためだけに狩りをする ようになります。
熊との戦いは詳細な描写は生々しさがあり臨場感にあふれています。
己の生き方と存在理由に葛藤する熊爪の様が描かれた物語です。
ともぐい/河﨑秋子 #読了
時代は明治後期。北海道の山の奥で犬と共に生きる猟師熊爪の物語。
大自然に生きる獣と人。生と死。
熊と対峙する場面は迫力満点で手に汗握りながら読みました。初めて読む「熊文学」なるものは凄まじかった。
己は獣なのか人なのか… pic.twitter.com/fapFv4Rgyt— 凛子@読書垢 (@RiN_nemurihime) January 6, 2024
デビュー作
嶋津輝 (しまづてる)
ニュースサイト「テレ朝news」で『プルースト効果の実験と結果』『スナック墓場』を取り上げていただきました。
著者の佐々木愛さん、嶋津輝さんのコメントもあります~!https://t.co/OYyNAxLkK1— オール讀物 (@ooru_yomimono) September 13, 2019
嶋津輝さんは編集者・根本昌夫さんの小説講座を受講した後、2016年、「姉といもうと」でデビュー。第96回オール讀物新人賞を受賞しています。
「直木賞」にノミネートされたのは今回が初めてです。
(作品の概要)
親が決めた相手・製缶工場を営む裕福な山田家に嫁いだ、おっとりとした性格の千代。嫁ぎ先で女中頭として完璧に仕事をこなす初衣。
2人は強い信頼関係と絆で結ばれますが、やがて戦争によって2人は離れ離れになります。しかし不思議な縁で再び巡り会うのです。
千代は家も何もかも失い、初衣は両視力を失っていました。復興していく日本。2人はそれぞれの道を歩んでいきます。
戦前、戦中、戦後を逞しく生き抜いた2人の女性の物語ですが、実は2人には誰にも言えない悩みがありました。(ネタバレになるので、ここまでにしておきます)
『襷がけの二人』嶋津輝著#読了
世の中の偏見はいつの時代も変わらない。 人に知られたくない秘密を持ってる2人は、いろいろな噂話や取り越し苦労に振り回される。その不安を希望に変えてくれるのは、一緒に暮らした襷がけの二人の絆。そんな二人の関係を心から羨ましいと思う。直木賞候補作。 pic.twitter.com/jgQqTaCvRr— なつめ (@7788123p) January 7, 2024
デビュー作(『姉といもうと』が含まれています)
万城目学(まきめまなぶ)
14日「毎日新聞」朝刊別刷り「夏の読書特集」で万城目学さんのインタビューが掲載されています!写真がかっこいい-!ミュージシャンみたいです♪デビューのきっかけや読書が与えてくれる可能性について語っています! #バベル九朔 #万城目学 pic.twitter.com/77OEiV2LS3
— KADOKAWA文芸編集部 (@kadokawashoseki) July 14, 2016
万城目学さんは京都大学に在学中から小説を書き始めます。
大学卒業後は化学繊維メーカーに就職。静岡の工場に配属になったそうです。就職後も小説を書いていました。
26歳の時に東京勤務の辞令が出ました。栄転なわけですが、小説を書く時間がなくなることを危惧し会社を退職。その後上京します。
なかなか芽が出ず苦労されたそうですが、2006年に『鴨川ホルモー』が第4回ボイルドエッグズ新人賞を受賞し、デビューします。
(作品概要)
女子全国高校駅伝で急遽走ることになった、絶望的に方向音痴な女子高校生。
同い年の彼女に振られて失意の中、曰く付きの謎の草野球大会に借金のカタとして参加する羽目になった大学生。
全く異なる2人の異なる話。その後京都での幻のような出会い…。
笑えるところがところどころあったり、青春のまぶしさが描かれていますが、物語後半は謎の人物が登場ずることでミステリーな感じもする作品です。
万城目学さん『八月の御所グラウンド』読了です。笑えて、びっくりして、最後にホロっとくる、とてもとてもいい小説……!
中編が2つ、収録されています。2編とも共通点は「京都」と「奇跡」。以下は、表題作の『八月の御所グラウンド』のあらすじと感想です。… pic.twitter.com/N6yVVBoL6T
— かわぺい@読書垢 (@MYrkQjgfBQWvVy3) October 5, 2023
デビュー作
宮内悠介(みやうちゆうすけ)
フジテレビの番組📺
「タイプライターズ」
SF小説 トランジスタ技術の圧縮
著者 宮内悠介さん出演されています🤓
700号記念企画の別冊付録の執筆エピソードも語ってくれています🎉 pic.twitter.com/M6dc5ErTuL
— トランジスタ技術【役に立つエレクトロニクスの総合誌】 (@toragiCQ) February 25, 2023
宮内悠介さんの父親は作家の宮内勝典さんです。
早稲田大学在学中は在学中は「ワセダミステリクラブ」に所属していました。大学卒業後はインド、アフガニスタンを放浪。
麻雀プロの試験に補欠合格するもプログラマになるというなかなか変わり種。
2022年までニューヨークに在住していました。
ソ連時代。エストニアに生まれたラウリ・クースクはコンピュータ・プログラミング才能の持ち主です。ラウリはこのプログラミングを通して、魂の親友と呼べるロシア人のイヴァンと出会います。
ところがソ連が崩壊しエストニアが独立します。ラウリとイヴァンは時代の波に翻弄され…。
「彼はい今どこでどう生きているのか?」。
ラウリの足取りを追う記者の視点と、幼少から現在までの自分の人生について語るラウリ視点の2つの視点。この2つの視点が交互入れ替わりながら描かれています。
『ラウリ・クースクを探して』#読了
時代に翻弄された人々の物語。ソ連時代のエストニアに生まれたラウリ・クースクもその一人。彼は数字に愛された天才だった。しかし、その天才が時代の波にのまれ、力を十分に発揮できなかったのはやはり残念。救いは、幼き日の友情。不思議に爽やかな読後感だ。 pic.twitter.com/VWOr776nn1— なつめ (@7788123p) January 6, 2024
デビュー作
村木嵐(むらきらん)
司馬家にはほぼ常時2人のお手伝いさんがいました。司馬家から嫁いだ後も近所に住み、頻繁に「里帰り」していたとか。 /もう一度読みたい:<司馬遼太郎没後20年>村木嵐氏インタビュー「お手伝いとしてはやりやすい人」 – 毎日新聞 https://t.co/yR65DArn7j
— 毎日新聞デジタル報道グループ (@mainichi_dmnd) February 12, 2016
(作品の概要)
徳川9代将軍となる徳川家重と側近の大岡忠光の物語です。
徳川家重や生まれつき半身不随で言語が不明瞭だったため、相手に言葉が通じません。厳しい生活を強いられる家重ですが、そこに大岡忠光が現れます。
忠光は耳が良く家重の言葉をきちんと理解できたので、忠光は家重の通訳(通詞)として仕えることになりました。
2人は強い絆で結ばれるものの、忠光の口から伝えられる「家重の言葉」は果たして本当なのかということで、重臣たちは半信半疑になります。そんな中、次期将軍の跡目争いがおこり謀略が展開されていきます。
騒動を経て家重は9代将軍となります。そんな家重を支えた忠光。2人が様々な壁を乗り越えようとする姿が感動的です。
まいまいつぶろ/村木嵐 #読了
障害を持って生まれ、まいまいつぶろ(カタツムリ)と蔑まれた徳川九代将軍・徳川家重と、家重の言葉を唯一理解出来、通訳として側で仕えた大岡忠光のお話。
八代将軍吉宗は有名ですが、九代将軍の家重の事は恥ずかしながら何も知らず… pic.twitter.com/BuJvoo5sbT
— 凛子@読書垢 (@RiN_nemurihime) January 9, 2024
デビュー作
第170回(2024上半期)直木賞受賞者作品予想
どの作品も面白そうですが、私の予想としては
・『襷がけの二人』(嶋津輝)
の2作品が受賞する可能性が高いのではないかと思います。
ただ、
『ともぐい』(河﨑秋子)
の2つも可能性が高く迷いました。
加藤さんのシリアスな小説なのか、島津さんのように人間味のある温かさの小説が受け入れられるのか。
また「熊小説」の河﨑秋子さんの新しさが受賞するのか。
いずれの作品も「直木賞」受賞してもおかしくないと思います。
ネット(SNS)の予想
それではネット(SNS)ではどのような予想がなされているのでしょうか。
いくつか声を拾ってみたいと思います。
2024直木賞予想
1加藤シゲアキ 『なれのはて 』
2河﨑秋子 『ともぐい 』
3嶋津輝 『襷がけの二人 』
4宮内悠介 『ラウリ・クースクを探して』
5村木嵐 『まいまいつぶろ』
6万城目学 『八月の御所グラウンド』— 😆 (@ds3u28) December 31, 2023
【競馬より当たる直木賞予想】
村木嵐『まいまいつぶろ』に◎。
作品として抜けてる。落とされるなら初ノミネートでもう一作見たいというパターンだけ。ほぼ負けないと思う。時代小説で超珍しい本屋大賞のノミネートまである。— ベラミ (@belami_answer) December 13, 2023
第170回直木賞受賞予想。杉江「激戦を制するのは、加藤シゲアキ『なれのはて』と『ともぐい』か」マライ「『八月の御所グラウンド』『ラウリ・クースクを探して』も推したい」
https://twitter.com/hiromu1231/status/1745785627852124399
第170回直木賞候補6作、読み終えました。
全作読み応えあり、良き読書時間ではありましたが、随分戦争と障がいに偏ったなとは思った。
文学的評価は私などにはわからないので受賞予想はできませんが、単純に個人的な好みで面白かったワンツーは『なれのはて』と『八月の御所グラウンド』。忖度なし。
— Mao@NEWS (@maomaonewsnews) January 5, 2024
年始はニュースが気になって、読書が進みませんでしたが、年末に直木賞候補作を読了したので、予想を。
いい作品ぞろいでしたが…#宮内悠介 「ラウリ・クースクを探して」#加藤シゲアキ 「なれのはて」
の二作が、とても心に残りました。
— ほぼ毎日書店に行く層@読書好き (@shiraoi101) January 4, 2024
第170回直木賞候補の6作品を読み切り。
受賞予想しましょうか。まいまいつぶろ これだ。これでしょう。
ダントツで直木賞っぽい。なぜかはわからない。時代小説ってだけかも。
でもこれだと思ったんだから仕方ない。— WTR (@wtr_in_reverie) January 4, 2024
直木賞候補作品、すべて読了!
悩ましいところだけど、「なれのはて」の単独受賞を予想します。ケチをつけたいところは散見されるものの、スケール感とエンタメ性が傑出しており、直近の受賞傾向に合うのではないでしょうか。— けんだまん (@kendaman1108) January 4, 2024
ネットでは加藤シゲアキさんの『なれのはて』を予想する人が多い印象です。
まとめ
この記事では次の2点にフォーカスしてお伝えしました。
・受賞者作品の予想(私の予想・ネットのみんなの予想)
をお伝えしました。
どれも興味深い作品ですが、誰が受賞するのかとても楽しみです。
芥川賞の予想もしています。
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