この記事は『子のいない夫婦とネコ』を読んでのレビューと感想です。
「子のいない〜」というタイトルですが、子供がいないことがどうこうということは書かれておらず、猫中心に生活が回っている夫婦のお話です。
「ゆったりとした安定した気持ちで本を読みたい」「ほっこりしたい・癒やされたい」という人にはにおすすめの本です。
特に猫や動物を飼っている人は共感できると思います!
私と同じように子なしの既婚女性で、何か癒やされるものを読みたいと思った方や、この本を読もうかどうか迷っているという方のお役に立てればと思い、感想・レビューをまとめてみました。
子のいない夫婦とネコのレビュー
著者名:群ようこ
出版社:幻冬舎
発行:2024年2月(2021年9月)
ページ数:50ページ
この本はタイトルどおり、子供のいない夫婦の飼っているネコを通した日常を描いたものです。
本は『子のいない夫婦とネコ』のほかに、
・男やもめとイヌ
・中年姉妹とネコ
・老母と五匹のおネコさま
・年の差夫婦とイヌとネコ
の4編がおさめられています。
最後の「年の差夫婦とイヌとネコ」も子供のいない夫婦が題材です。
いずれも犬や猫が中心の生活をしている人達が描かれています。
なおこの本の発行日は2021年9月ですが、私が買った文庫本は2024年2月に新しく発行されたものです。
子のいない夫婦とネコの感想
『子のいない夫婦とネコ』を読んで強く心に残ったのは次の3点です。
・価値観が夫婦で一致している
・子供がいないことに重きを置いていない
夫婦がネコ中心に回っている
この物語は、夫婦が出会い結婚した時から始まり夫が早期退職するまでの時間が流れています。
結婚と同時に1匹のネコと暮らし始め、その後2匹が加わるのですが、猫たちは順番に亡くなっていきます。それでもまた夫婦は新しいネコを飼い生活は続いていきます。
とてもかわいらしい猫たちの様子が描かれており、とにかくすべてが「猫中心」になっています。
(これは「子のいない夫婦とネコ」だけではなく、他の4編も猫または犬が生活に中心になっています。)
価値観が夫婦で一致している
物語を通して夫婦が大きな喧嘩や言い争いをしている場面はありません。
2人とも猫が好きでその点において価値観が一致しています。だからこそ結婚生活が20数年以上続いたのだろうなと思わせます。
「子はかすがい」という言葉がありますが、この夫婦にとっては「猫はかすがい」になっているようです。
子供がいないことに重きを置いていない
結婚した当初、2人は「子供は作らない」というわけではありませんでした。
しかし焦って子供を作ろうとしたり、子供ができないからといって落ち込むといったような描写はありません。
周りの親達の「子供はまだか」といった発言があるものの、それがずっと引っかかったり、大きな問題になる場面はありません。
猫がいることで夫婦の生活は充実しており、(おそらく子供がいれば子供に注いだであろう)愛情を猫たちに注いでいて幸せそうです。
<子供がいなくても>という表現はむしろ適切ではなく、子供がいないことはたまたまであって、この夫婦にとっては単なる属性であるといった感じを受けました。
全体的な感想として、子供がいない人にとって読んでいてほっとするというか、癒やされる感じがします。
何か大きな事件があるわけではなく、ただただ猫達との愛情あふれる生活を味わうことができます。
勿論、途中で飼っていた猫たちが寿命で亡くなったり悲しい出来事もありますが、それも淡々とした語りで(冷酷という意味ではなく)、新しい猫に愛情を注ぎ続ける様子に安定感を感じました。
子のいない夫婦とネコの口コミ・評価
『子のいない夫婦とネコ』を読んだ人の感想・口コミをSNSからいくつか拾ってみました。
「子のない夫婦とネコ」で悪人はいないのに動物が人の都合に翻弄されるシーンがわずかでもあると感情移入をしてしまいます。素敵な人達に引き取られて幸せになる結末が読む前から分かっているので安心してページがめくれます。#読了
— しらもちことはな (@S0kotohana) August 6, 2023
#読了
子のない夫婦とネコ/群ようこ【短編】動物にまつわる話はお涙頂戴的で苦手意識があったがこの本は違った。わたし達も子がいないし、猫ではないが3種類の動物たちを飼っている。共通点が多かった。猫に赤ちゃん言葉で話しかけるシーンで「やるやる!」と共感。今の子たちがいなくなるのを→ pic.twitter.com/IWLY5axHJk
— みゃお🧸やさしい暮らし (@myaooo_42) October 25, 2022
また「アマゾン」での『子のいない夫婦とネコ』の評価をまとめると次のようになります。
・何気ない日常が猫を通して表現され、「くすっと」笑える。
・どの作品もほっこりしてとても満たされる。
・子供がいなくても猫や犬達と過ごすことで、愛情や優しさ・人を思いやる気持が育まれ、幸せに暮らせると思った。
子のいない夫婦とネコを読んだ理由とおすすめする人
私が『子のいない夫婦とネコ』を読もうと思ったのは、私の属性である「子なし」=「子のいない」というキーワードが含まれていたからです。
この本を読んだ人の口コミと合わせて考えると、この本を読んで「面白い!」と思うのはやはり、
・動物好きな人
・実際に猫を飼っている子供がいない人・夫婦
ではないかと思います。
特に「実際に猫を飼っている子供がいない人・夫婦」にとっては、「うんうん!」と共感できる部分が大きいのではないでしょうか。
また、先ほど紹介した口コミの中でも、
「子供がいなくても猫や犬達と過ごすことで、愛情や優しさ・人を思いやる気持が育まれ、幸せに暮らせると思った。」
とあるように、子供がいないことにひっかかりを持ってしまう人にとっては元気づけられるのではないかと思います。
この記事の途中でもお伝えしたように、何か大きな事件があるわけでもなく、「起承転結」型の物語でもなありません。平坦なので、猫や動物を飼っていない人にとっては飽きてしまうかもしれません。
結論として、「時間がある時に、ゆったりとした安定した気持ちで本を読みたい」「ほっこりしたい・癒やされたい」場合には、この『子のいない夫婦とネコ』を読むことをおすすめします。
まとめ
この記事では『子のいない夫婦とネコ』のレビューと感想をまとめお伝えしました。
安定した気持ちで癒やされるものを読みたいという人にはおすすめの一冊です。また、猫や犬などを飼っている人にとっては共感でき感情移入できると思います。
今回の記事、あなたのお役にたてたら嬉しいです。
もしあなたが子供がいないくて働いていないことで自分の存在意義を見いだせないという思いになっているなら、こちらの本もおすすめです。
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